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冒険 & カヌーAdventure & Canoe

6 校長室がキャンプ場に変身

翌朝、登校して校長室に入った私は目を見張った。テント、テーブル、ランタンなどのキャンプ道具がところ狭しと置いてあるではないか。 それらは、二人がさっそく私に無断で運び込んだものに違いない。うーん、何というやつらだと思いながらも、 内心私はわくわくしていた。二人にはまだ言ってはいないのだが、実は私も若いころからのアウトドア大好き人間だ。 しかもカヌーについてはかなりの経験者だった。 翌日、私も負けじと長さ4メートルの折りたたみ式のカヌーを校長室に運び込んだ。 若いときに塩化ビニール製の工事用パイプやテント地などの材料を買い集めて作った手作りのカヤックである。 それを持って家族で車で北海道に旅行に行き、釧路川で川下りをして遊んだこともあった。 雰囲気を盛り上げるために私は、儀式などで校旗をたてるためのポールスタンドを校長室に持ち込み、 大きなランタンをぶら下げた。校長室に入ってきた教職員は皆首をかしげてそれを眺めた。 開け放したドアから不思議そうな顔でのぞき込む生徒に私は声をかけた。 「雑草をおかずに飯を食う。トイレでは葉っぱで尻をふく。命をかけて湖を漕ぎわたる。 そういうキャンプだ。君も一緒に行こう。」すると生徒たちは皆、顔をしかめてしり込みをした。 私は学校だよりで全校生徒240人と保護者に参加を呼びかけた。島崎さんは昇降口にポスターを張り出した。

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|ベニヤ板で組み立てるカナディアンカヌー作りに挑戦しませんか。 |
|完成したら、みんなで富士五湖でキャンプをして遊びましょう。  |
|製作期間は、夏休み中の火・木曜日。参加費は無料です。     |
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読売教育賞受賞『手作りカヌーで富士五湖横断』
1 全国ニュースで紹介されたカヌーの取り組み 2 校長着任時の学校の状況 3 荒廃の原因の考察
4 生徒と教職員の一体感のある学校を作りたい 5 若い技能主事と教育相談員の提案 6 校長室がキャンプ場に変身
7 プールでのデモンストレーション 8 カナディアンカヌーとは何か 9 作製そして完成
10 「西湖」の横断に成功 11 「特色ある教育活動予算」が認められる 12 学生ボランティアや卒業生も参加
13 ターゲットの生徒たちも参加する 14 マスコミの取材攻勢 15 グラスファイバー塗装に挑戦
16 盛大に「進水式」を開催 17 不登校学級の生徒たちが、「西湖」横断に成功 18 友情を確かめ合った「本栖湖」横断
19 卒業生が「山中湖」横断を断念 20 新入生が「山中湖」横断に成功 21 大雨の中「精進湖」横断に成功
22 ついに「富士五湖」完全制覇 23 荒れた学校の奇跡的な変容  
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冒険(カヌープロジェクト) ★ 2006年夏
カヌー製作編
★ 2006年夏
カヌー川下り編
★ 2007年夏
カヌー川下り編
★ 2008年夏
カヌーキャンプ
手作りカヌーで
富士五湖横断