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冒険 & カヌーAdventure & Canoe

2 校長着任時の学校の状況

平成14年4月、校長として本校に着任した私の目に映ったのは、きちんとした集団行動がとれない生徒たちの姿だった。 始業式の日。整列ができない、礼ができない、話を集中して聞けない・・・。 ざわついた雰囲気の中で焦燥感を抱きながら私は校長室に戻った。 ほどなくして2、3年生の集団エスケープの報告があった。 式後の学活を勝手にさぼって帰宅してしまった生徒が数クラスで発生したという。その数は10人近くにのぼっていた。 以後、何かしらの事件が発生する日々が続いた。生徒のトイレでの喫煙は常習化しており、 毎朝、教頭が校内の見回りを通して何本もの吸い殻を拾い集めていた。 私が驚くと、ここ数年の中では拾う本数は減ってきているという返事であった。 教室や廊下の電気のスイッチが毎日壊された。私と教頭と技能主事の3人が、 早朝手分けしてドライバーをもって校内を修理してまわった。朝礼で生徒たちにその話をし、 反省を促すと翌日はさらにその破壊箇所が増えた。集団エスケープ、授業妨害、教師への暴言・小暴力、集団遅刻が 日常的に発生した。また突発的な事件としては、非常ベルや消火器へのいたずら、 卒業生との関わり、夜の飲酒事件等が起こった。それらの報告を受けるたびに当該生徒や保護者を呼んで説諭したのだが、 いっこうに状況は変わらなかった。校内を巡回して、混乱している教室に入って注意する私に平然とつかみかかってくる生徒と、 それを面白がってヤジをとばす周囲の生徒たちを前に、私自身も絶望感や無力感に襲われそうになっていた。
読売教育賞受賞『手作りカヌーで富士五湖横断』
1 全国ニュースで紹介されたカヌーの取り組み 2 校長着任時の学校の状況 3 荒廃の原因の考察
4 生徒と教職員の一体感のある学校を作りたい 5 若い技能主事と教育相談員の提案 6 校長室がキャンプ場に変身
7 プールでのデモンストレーション 8 カナディアンカヌーとは何か 9 作製そして完成
10 「西湖」の横断に成功 11 「特色ある教育活動予算」が認められる 12 学生ボランティアや卒業生も参加
13 ターゲットの生徒たちも参加する 14 マスコミの取材攻勢 15 グラスファイバー塗装に挑戦
16 盛大に「進水式」を開催 17 不登校学級の生徒たちが、「西湖」横断に成功 18 友情を確かめ合った「本栖湖」横断
19 卒業生が「山中湖」横断を断念 20 新入生が「山中湖」横断に成功 21 大雨の中「精進湖」横断に成功
22 ついに「富士五湖」完全制覇 23 荒れた学校の奇跡的な変容  
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カヌー製作編
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