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冒険 & カヌーAdventure & Canoe
11 「特色ある教育活動予算」が認められる
平成15年度、本校の「特色ある教育活動」として、手作りカヌーで環境学習を行うという活動計画を立てて
多摩市の教育委員会に予算配当を申請した。本校は、多摩川とその支流の大栗川の合流する中州的な位置にある。
東京都でも有数のバードウォッチングの名所である。学校の目の前の岸辺で、カワセミが瑠璃色の翼をひるがえしながら、
見事なダイビングを見せている。さらに絶滅危惧種に指定されているオオタカが、川面で遊ぶ白サギを狙って崖の上の林の中で
息をひそめている。オオタカが狩りをする季節になると、東京中から愛好家が川岸に集結し、
大口径の望遠レンズの砲列を作る。私も何度かデジタルカメラを携えて見に行った。
一度は、雑木林から飛び立ったオオタカが空中のキジバトの群れに飛び込む勇壮な場面を目撃した。
こんなにも稀少で豊かな自然環境を教育に利用しないで何としよう。「特色ある教育活動」の申請書を作りながら私は、
本校の生徒たちが数艇の手作りカヌーに乗ってカワセミやオオタカを観察する姿を想像して胸を躍らせた。
予算は、ほぼ全額が認められた。その内容は、4艇の材料代として約5万円。
ライフジャケット10着で10万円。その他に、水中生物観察用ルーペ、野鳥の観察用スコープ、水質検査キット、
記録用デジタルカメラ等で総額20万円を超える大きな金額だった。