冒険 & カヌーAdventure & Canoe
8 カナディアンカヌーとは何か
ここで、カヌーの作り方の紹介をする。まずカナディアンカヌーとは、一見すると普通のボートに似ている。
だがボートは一人が両手に2本のオールをもって漕ぎ、後方に向かって進むが、カヌーは、二人乗りの場合、
それぞれ1本のパドルを持って漕ぎ、前方に進む。そこが大きく違うのである。
インターネット情報を元にして私たちが購入したのは、「一万円で作るカナディアンカヌー」という本である。
発行者は「カヌー製作友の会」で定価は4800円。原寸大の設計図がついている。
まず、長さ1.8メートル、幅90センチメートル、厚さ4ミリのベニヤ板に設計図を貼り付け、
画鋲を止めながら部品ごとの線を写し取る。次にジグゾーを使って線の通りに切り抜いていく。
簡単そうだがなかなか繊細さと根気を必要とする作業である。それが終わったら、それらのパーツを、
ボンドをたっぷりと塗った綿のテープでつなぎ合わせていく。まるでプラモデルを作るような感覚である。
たった4ミリの薄いベニヤ板で本当に大人二人が乗れるようなカヌーが作れるのだろうかと、私たちは半信半疑で取り組んだものだった。
だが、立派な船が完成したときの驚きと感動はひとしおであった。設計者の井瀬敦司さんの才能と熱意に大いに感謝と尊敬の意を表したい。
なお、「友の会」のインターネットのホームページには、本書を利用して作製した全国の皆さんの写真がたくさん公開されている。
今回の企画では、カヌーを実際に作製し、所有したいという教職員が費用を出すことにした。
私と島崎さんともう一人の教員の計3名が名乗りを上げ、まず1万円ずつ拠出することにした。
だが、実際には何かと費用がかさむので、とりあえずは1艇のみ作ることにし、追加の費用はすべて私が出すことにした。