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元校長お勧め100冊Recommendation

「読書の旅の羅針盤」では、小金井市小金井第一中学校元校長
「山本 修司」がお勧めする中学生に読んでもらいたい本を100冊紹介します
なお、この紹介は「学校便り」に紹介されたもので、元山本校長の許可を頂き掲載しているものであります。
:短時間で楽しめる本   ★★:じっくりと味わえる本   ★★★:ちょっと難しいが視野が広がり人生観が深まる本
  書籍名 著 者 コメントなど
★★★ 020 宮本武蔵
(講談社文庫 全8巻)
吉川 英治 だれもが知っている江戸時代の剣豪、宮本武蔵の物語。
雑誌で連載していた傑作マンガ「バカボンド」
(このマンガは、もはや芸術の域に達している!)の原作である。
全8巻、約3000頁。読み終えるまでに1か月はかかりそうだ。
しかし暴れん坊の少年時代から始まる物語は、楽しく読めて、
しかも人間の生き方についての教訓に満ちている。
テレビドラマよりずっと有意義だよ。
021 もものかんづめ
(集英社文庫)
さくら ももこ 人気アニメメの「ちびまる子ちゃん」の原作者である「さくらももこ」のエッセイ集は
どれも面白く、かつ味わい深い。
この本に描かれた中学や高校時代の失敗談は爆笑ものである。
しかし自虐敵に自分を笑う表現の中に、中学生は共鳴するところを
沢山見だすのではないだろうか。
022 たけしくん、ハイ
(新潮文庫)
ビートたけし 映画であれ漫才であれ政治評論であれ、天才ビートたけしの仕事の根底には、
人間の生き様を飾りけなしで見つめるという共通点がある。
笑っているようでその視線は鋭い。この本のさりげない少年の日の
思い出話の語り口にもそれがある。
★★ 023 プリズンホテル
(集英社文庫 全4巻)
浅田 次郎 この数年間に読んだ本の中でもっとも面白かった小説は何かと聞かれたら、
迷わずにこれだと答える。
全4巻のどれを読んでも、ワクワク、ドキドキ、ハラハラの連続である。
しかも最後はウルウルと泣かずにはいられない。
時間のたつのを忘れてあっというまに読み終えてしまった。
こんな小説をいつか書いてみたいというのが私の見果てぬ夢である。
024 我らが隣人の犯罪
(文集文庫)
宮部 みゆき 宮部みゆきは、現代ミステリー作家の中で、もっともスッキリした読後感を
与えてくれる作家であると思う。とにかくどれを読んでもとても面白い。
はまってしまって勉強時間が足りなくなるのが心配であるが、
初めて読む中学生には、この本がいいだろう。
★★ 025 流れる星は生きている
(中公文庫)
藤原 てい 先の戦争に負けたとき、中国大陸にはおびただしい数の日本人の女性や子供やお年寄りが
取り残された。
食べ物も十分に手に入らない絶望的な状況の中で、彼らは互いに励まし合いながら
朝鮮半島を縦断し1年以上の歳月をかけて日本に戻ってきたのであった。
3人の幼い子どもを必死で守りながら日本にたどりついた著者の愛情の深さと強い意志に
感動せずにはいられない。
★★★ 026 アンネの日記
(文集文庫)
アンネ・フランク 13歳になったばかりのアンネ・フランクは、は、ナチスドイツの手を
逃れた隠れ家の中で希望を失うことなく豊かな感性と鋭い洞察力で
日々の出来事や心情をつづっていく。
架空お親友にあてた手紙という形でつづられた2年間の日記は
まさに奇跡の書というべきだろう。
そして読者は戦争や人種差別の悲惨さや愚かさを痛感するだろう。
若者の必読の書である。
★★ 027 出口のない海
(講談社文庫)
横山 秀夫 本書は人間魚雷「回天」に乗り込んだ、甲子園の優勝投手を主人公とする物語である。
敗戦直前の日本は最終兵器である特殊機と人間魚雷でアメリカに立ち向かい、
多くの若者が死んでいった。
私はかつて靖国神社の一角にある「遊就館」で魚雷の実物を見、
出撃前の学生の生の声を聞いて声を失った。
このような悲惨な事実があったことを私たちは忘れてはならないと思う。
028 坂の上の雲
(文集文庫 全巻)
司馬 良太郎 上の3冊が戦争の犠牲になった人間の悲惨さを描いたものであるのに対して、
それとは違った視点から歴史と戦争を見つめた本である。
百年前、日本は超大国のロシアに戦いを挑んだ。司令官の稚拙な作戦のせいで
甚大な戦死者を出しながらも、紙一重で勝利を収めたことが
今の日本の基礎になっていることに改めて驚く。
この時点で日本という国家は滅びていたのかもしれないのだ。
国のリーダーたちの役割と責任がいかに大きいかを考えさせられる。
029 鈴の鳴る道(詩画集)
(偕成社)
星野 富弘 星野富弘さんは中学校の体育科の先生だった。生徒に跳び箱の難しい技の
手本を見せているときに空中からマットに落下して首を強打し、
下半身不随になってしまった。絶望の中で星野富弘さんは口に絵筆をくわえて
美しい植物の絵を描き始めた。
それらの絵の美しさと添えられた言葉に込められた人生観の深さに胸を打たれずにはいられない。
私は実際の作品が見たくなって、ある日、群馬県の星野富弘美術館にでかけた。
そして展示された作品を目の前にして感動の涙が止まらなかった。
自分の命と人生をもっともっと大切にしなければと思った。
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