読書の旅の羅針盤

ここ「読書の旅の羅針盤」では、小金井市小金井第一中学校校長
「山本 修司」がお勧めする中学生に
読んでもらいたい本を100冊紹介する予定です。

なお、この紹介は「学校便り」に紹介されているもので、
山本校長の許可を頂き掲載しているものであります。



ナンバー 書籍名 著 者 コメントなど
:短時間で楽しめる本   ★★:じっくりと味わえる本   ★★★:ちょっと難しいが視野が広がり人生観が深まる本
 2008年5月14日分
011 えりも岬の母さん医師
(集英社文庫)
鈴木 陽子
★★(中級)
 素晴らしい人生を歩む女医さんの話である。感動!! 
子育て真っ最中の主婦だった鈴木さんは、猛勉強の末に36歳で医科大学に合格し、42歳で医者になった。
すごいのはその先である。人々のために役立ちたいという願いから、鈴木さんは辺地での医療活動を希望する。
そして夫や子どもたちの理解を得て大阪を離れ、北海 道のえりも岬の診療所に単身赴任するのである。
本書が感動的なのはそればかりではない。「親離れ、子離れとは自分の価値観を押しつけないことだ」と
考える鈴木さんの子育ての姿勢、息子さんが難病にかかって死線をさまよったときの家族愛に満ちた話などから、
人生の在り方について、あらためて深く考えさせられる本なのである。
012 南極大陸単独横断行
(講談社文庫)
大場 満郎
★★(中級)
 世界で初めて北極と南極の両方を単独で歩行横断した大場満郎さんの冒険記である。
北極海横断で両足のすべての指を凍傷で失いながら、冒険心はやまず、次は南極大陸の単独横断に挑戦した。
体を鍛えたり、スポンサーを探して資金を集めたりという準備活動から始まり、
99日間の冒険の日々の日記でつづられた記録は読者の 胸を揺さぶる。
文章はとても分かりやすく、はらはらしながら読み進み、最後は冒険成功の喜びと達成感を味わうことができる。
013 匠(たくみ)の時代 1〜6
(集英社文庫)
内橋 克人
★★★(上級)
 日本企業の優秀な工業製品の開発秘話を描いた興味深い本である。第1巻は時計と電卓の二つの話である。
(第1話)かつて時計と言えばスイス製品に限るという時代があった。ところがある年、時計の性能を競う国際コンクールで、
日本のセイコーの時計が上位を独占するという事件が起こった。その奇跡はどのようにして起き たのだろうか。
(第2話)今、世界中の人々が低価格で高性能の電卓を気軽に使っている。その発明の歴史の背景には、
日本の企業、シャープとカシオの熾烈(しれつ)な開発競争があった。
両方の話とも、物作りに取り組んだ技術者たちの挑戦をドラマチックに描いている。
創造の苦労と喜びを伝えるとともに、日ごろの学校の勉 強の大切さを教えてくれる本でもある。
014 戦国自衛隊
(角川文庫)
半村 良
★★(中級)
 私はタイムスリップものが大好きである。この作品は、現代の自衛隊員が戦国時代にタイムスリップするという設定だ。
日本史に登場する人物の中でもっとも国民的人気の高い人物は織田信長だそうだが、
彼が生きた時代に現代の自衛隊員が関わっていくと果たして歴史ドラマはどう変わるのか? 
この本は純粋に娯楽小説ではあ るが、まじめな歴史小説として読んでも面白くて興味深い。
015 新・世界の七不思議
(創元推理文庫)
鯨 統一郎
★(初級)
 最近私は、鯨統一郎という作家にはまっている。しゃれた文体と奇想天外な発想が魅力的なのだ。
前回「邪馬台国はどこですか?」という「おばかな」歴史推理短編集を紹介したが、本書はその続編である。
「アトランティス大陸」「ストーンヘンジ」「ピラミッド」「始皇帝」「ナスカの地上絵」「ノアの箱船」「モアイ像」の
七つの謎を巡って、天才宮田六郎があっと驚く推理を披露する。社会科の先生はこれを読んで怒るかもしれない。
だが私のような歴史の素人にとっては痛快極まりないのである。